衣服を洗う目的はいったい何でしょう。もちろん汚れを落とすためです。生地についた汚れを落とすだけなら水と洗剤を使って洗えばきれいになります。汗の汚れなどは水で洗うのが一番です。
しかし一旦水に漬けて汚れを落とすための力を加えると、形態や風合いが変化して元に戻らなくなってしまいます。そこで繊維素材の親しみにくい液体による洗浄、ドライクリーニングの登場です。ドライクリーニングとは、ドライ溶剤でクリーニングすることです。
溶剤は親水性がなく、油脂の溶解力に優れています。親水性がないということは繊維をふやけさせないということであり油脂溶解力があるということは、繊維に汚れを接着させている皮脂やタールなどの油脂分を溶かして汚れを繊維から取り去る力があるということです。繊維をふやけさせて、もむなどの物理的な力や洗剤を加えると汚れは落としやすいですが型崩れしていく事からは避けられません。
まずはポケットの中をチェック。大切なものが入っていたら大変です。よくカウンターチェックの際にボールペンや名刺などが見つかります。ハンカチやティッシュ等の紙類も忘れがちなので、必ず取り出しておきましょう。
「預かり証」や「引換券」はお引き取りの際に必ずお持ちください。
シミや汚れは早ければ早いほど衣類を傷めずに落とすことができます。シミの部分には白い糸で印を付けておきましょう。こうしておけば、シミ抜きしてもらいたい場所が正確に伝わります。何のシミなのか、いつ付いたのか、応急処置をした場合はどのような処置を施したのかを必ずカウンターで伝えることも大切です。
※シミが付いたときはできるだけ早くクリーニング店に持ち込むようにしましょう。
スーツやツーピースなどの揃い物は、一緒に出しましょう。「ジャケットだけが汚れたので今回はジャケットだけ…」と別々に出すと微妙に色合いが変わってきます。
取れかけているボタンは付け直すか、取り外してからクリーニングへ出しましょう。貝殻ボタンや張り合わせのボタンはアルミホイルで巻いてから出すようにしましょう。出来れば取り外しておいたほうが無難です。
着用した服のことを一番理解しているのはお客様です。どんな小さなことでも気になることがあればクリーニング店に伝えましょう。
初めてクリーニングするものは、製品や素材によっては色・寸法・風合いが多少変わることがありますので、初めて洗うということを伝えましょう。